【安心ガイド】葬儀の準備はいつから何をする?
最終更新:2025-07-30
大切な方が亡くなった際、悲しみの中で多くの手続きや準備に追われることとなります。
特に初めてお葬式を取り仕切る立場になった場合、何から始めれば良いのか、どのような流れで進むのか分からず不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。
お葬式は故人様を弔い、最期のお別れをするための大切な儀式です。
事前に全体の流れや必要な準備を知っておくことで、いざという時に落ち着いて対応できるだけでなく、故人様を心静かに見送ることができます。
葬儀全体の流れ
お葬式全体の流れを把握しておくことは、後悔のない見送りをするために重要です。
一般的に、臨終を迎えてから葬儀・告別式、そして火葬へと進みます。
この一連の流れは、通常、葬儀社の担当者がサポートしてくれます。
精神的にも時間的にも余裕がない中で滞りなく準備を進めるためにも、信頼できる葬儀社を選ぶことが大切です。
逝去から葬儀まで
ご逝去からお通夜、葬儀までには、様々な手続きや準備が必要です。
ここでは、逝去直後から葬儀までの一般的な流れについて説明します。
これらの流れを事前に理解しておくことで、いざという時に慌てず対応できるでしょう。
逝去直後に行うこと
大切な方が亡くなられた直後は、悲しみの中で様々な手続きを行う必要があります。
まず、病院で亡くなられた場合は医師から死亡診断書が発行されます。
自宅で亡くなられた場合で、かかりつけ医がいる場合はその医師から、いない場合は警察の検視後に死体検案書が発行されます。
これらの書類は、その後の死亡届の提出や火葬許可証の取得に必要不可欠です。
死亡診断書または死体検案書を受け取ったら、速やかにこれらの手続きを進める必要があります。
また、ご遺体の搬送と安置場所の決定も逝去直後に行う重要な事項です。
病院の霊安室に長時間安置できないことが多いため、事前に安置場所を決めておくか、葬儀社に相談し搬送の手配を速やかに行う必要があります。
近親者への連絡
大切な方がお亡くなりになったら、速やかに近親者へ訃報の連絡を行います。
誰に、どのような方法で連絡するのかをあらかじめ考えておくと、いざという時に混乱せずに済みます。
連絡する範囲としては、まずは三親等以内の親族を目安にするのが一般的です。
ただし、故人様やご家族の意向によって連絡する範囲は異なります。
電話での連絡が最も早く確実ですが、関係性に応じてメールやSNSなどを利用する場合もあります。
連絡する際には、故人様がお亡くなりになったこと、そして今後の葬儀に関する情報(日時、場所など未定であればその旨)を簡潔に伝えます。
特に遠方に住んでいる親族には、移動手段や時間の確保が必要となるため、できるだけ早く正確な情報を伝えるよう心がけることが大切です。
これにより、親族は心の準備をし、葬儀への参列やお手伝いの調整をしやすくなります。
納棺について
納棺は、故人様のお体を棺に納める大切な儀式です。
一般的にお通夜の前に行われることが多いでしょう。
納棺に際しては、故人様がお好きだった物や、生前の思い出の品などを棺に入れる「副葬品」を用意することがあります。
ただし、火葬に影響を与える可能性がある物(金属製品、ガラス製品、燃えにくい物など)は棺に入れられない場合があるため、事前に葬儀社に確認が必要です。
納棺の前には、故人様のお体を清める「湯灌(ゆかん)」や、末期の水(まつごのみず)といった儀式を行うこともあります。
これらの儀式は、故人様を安らかに送り出すための準備であり、遺族にとっては故人様との最後のお別れの時間を過ごす機会となります。
納棺の一連の流れは、葬儀社の担当者が進めてくれるため、不明な点や希望があれば遠慮なく相談すると良いでしょう。
通夜について
お通夜は、葬儀・告別式の前夜に故人様とともに過ごす儀式です。
かつては夜通し行われていましたが、近年では1~3時間程度で終える「半通夜」が一般的となっています。
お通夜の主な流れは、まず僧侶が入場し読経が行われます。その後、弔問客や遺族による焼香が行われ、僧侶が退場します。
最後に喪主または親族代表が挨拶をして閉式となります。
お通夜の後には、「通夜ぶるまい」として、弔問客に食事やお酒を振る舞うことが一般的です。
これは、弔問に訪れてくれた人々への感謝の気持ちを表すと同時に、故人様を偲び、思い出話をする場となります。
お通夜の手順や進行については、事前に葬儀社の担当者としっかりと打ち合わせを行い、参列者に失礼のないように準備を進めることが大切です。
葬儀・告別式について
葬儀・告別式は、故人様を弔い、社会的に最後のお別れをするための儀式です。
通常、お通夜の翌日に行われます。葬儀は宗教的な意味合いが強く、故人様の冥福を祈るための儀式であり、告別式は故人様と親しかった方々が最後のお別れをする社会的な儀式という側面があります。
現在では、これらをまとめて行われることが一般的です。
葬儀・告別式の主な流れは、開式に始まり、僧侶による読経、弔辞・弔電の奉読、焼香、そして喪主または親族代表の挨拶と続きます。
その後、故人様との最後のお別れとして、棺にお花を入れる「お別れの儀」が行われ、出棺となります。
式全体の流れや手順は、宗派や地域の慣習、そして葬儀形式によって異なりますので、事前に葬儀社と詳細な打ち合わせを行うことが重要です。
これにより、滞りなく儀式を進め、故人様を心を込めて見送ることができます。
火葬について
火葬は、故人様の遺体を焼却し、遺骨を収める日本の葬送において広く行われている方法です。
法律により、原則として死後24時間以上経過しないと火葬できないと定められています。
火葬は通常、葬儀・告別式の後に行われます。火葬場へは、霊柩車に故人様の棺を乗せ、遺族や近親者が同行します。
火葬場に到着したら、火葬許可証を提出し、火葬炉の前で最後のお別れをします。
火葬には通常1時間から1時間半程度かかり、その間、遺族や親族は控室で待ちます。
火葬が終わると、「収骨(骨上げ)」が行われます。これは、残された遺骨を骨壺に収める儀式であり、二人一組になって箸を使って遺骨を拾い上げるという日本の独特な風習があります。
収骨が終わると、火葬済みの印が押された火葬許可証が渡されます。
この火葬許可証は、その後の納骨の際に必要となるため、大切に保管しておく必要があります。
葬儀の形式の種類
お葬式には様々な形式があり、遺族の意向や故人様の遺志、そして費用などによって選択肢が異なります。
それぞれの形式には特徴があり、参列者の範囲や儀式の流れ、費用などが異なります。
ここでは、代表的なお葬式の形式について紹介します。
一般葬について
一般葬は、故人様や遺族の親族、友人、知人、職場の関係者、近所の方など、生前に故人様と関わりのあった多くの人が参列する伝統的な葬儀形式です。
通夜と告別式を2日間にわたって行うのが一般的で、宗教的な儀式に則って執り行われます。
多くの人に故人様との最後のお別れをしていただくことができるため、社会的な繋がりを大切にしたい場合や、故人様の交友関係が広かった場合に選ばれることが多い形式です。
その反面、参列者が多くなるため、会場の規模や準備、費用が大きくなる傾向があります。
また、会葬者への対応に追われる場面も多くなるため、遺族の負担も大きくなる可能性があります。
家族葬について
家族葬は、故人様の遺族や親族、ごく親しい友人のみで執り行う小規模な葬儀形式です。
参列者の範囲を限定することで、形式にとらわれすぎず、家族中心でゆっくりと故人様を見送りたいという場合に選ばれています。
一般葬と同様に通夜と告別式を行うことが一般的ですが、参列者が少ないため、比較的自由な形式を取り入れやすいという特徴があります。
費用の面では、参列者の数が少ないため、斎場使用料や飲食接待費、返礼品にかかる費用などを抑えることが可能です。
ただし、選択するプランや内容によっては一般葬よりも費用が高くなるケースもあります。
家族葬の費用相場は、規模や内容によって異なりますが、一般的には30万円から100万円程度と言われています。
直葬・火葬式について
直葬、または火葬式は、通夜や告別式といった儀式を行わず、ごく限られた身内だけで火葬のみを行う葬儀形式です。
費用を最小限に抑えたい場合や、宗教的な儀式にこだわらない場合に選ばれることが増えています。
遺体の安置後、火葬場へ直接搬送し、火葬炉の前で短いお別れをして火葬を行います。
儀式を簡略化するため、葬儀にかかる費用を大幅に抑えることが可能です。
直葬・火葬式の費用相場は、一般的に20万円から50万円程度と言われており、他の葬儀形式と比べて経済的な負担が少ないという特徴があります。
ただし、火葬のみを行うため、故人様とゆっくりお別れする時間や、多くの人が集まって偲ぶ機会は少なくなります。
親族の中に儀式を重んじる方がいる場合は、事前に十分に話し合うことが重要です。
一日葬について
一日葬は、お通夜を行わずに、告別式と火葬を一日で執り行う葬儀形式です。
二日間の儀式を行う一般葬や家族葬に比べて、遺族の身体的、精神的な負担を軽減できるという理由から選ばれることが増えています。
告別式の後に火葬を行う流れが一般的です。儀式を一日で終えるため、遠方から参列する方にとっては宿泊の負担がなくなるというメリットもあります。
費用については、お通夜の費用がかからない分、一般葬よりは抑えられる傾向がありますが、家族葬よりは高くなることが多いでしょう。
一日葬の費用は、参列者の人数や斎場の規模、提供されるサービスによって変動しますが、一般的に40万円から100万円程度が目安とされています。
葬儀の準備で進めること
葬儀を執り行うにあたっては、短期間で様々な準備を進める必要があります。
ご遺族の悲しみの中で、滞りなく手続きや手配を行うためには、事前に何が必要になるのかを知っておくことが大切です。
ここでは、葬儀に向けて具体的に進めるべきことについて説明します。
死亡診断書の手続き
病院で亡くなられた際には担当医師から、自宅で亡くなられた場合にはかかりつけ医から死亡診断書が発行されます。
もし自宅で亡くなり、かかりつけ医がいない場合は、警察の調査後に死体検案書が発行されることになります。
これらの書類は、死亡の事実を公的に証明するために不可欠です。
死亡診断書または死体検案書を受け取ったら、死亡の事実を知った日から7日以内に、故人様の本籍地または亡くなられた場所を管轄する市区町村役場に提出する必要があります。
死亡届が受理されると、火葬を行うために必要な火葬許可証が発行されます。
この火葬許可証は、火葬後に埋葬許可証となり、お墓や納骨堂に遺骨を納める際に必要となりますので、火葬が終わった後も紛失しないように大切に保管してください。
これらの手続きは、葬儀社が代行してくれることがほとんどです。
葬儀社の選定
葬儀を執り行うためには、信頼できる葬儀社を選定することが非常に重要です。
葬儀社は、ご遺体の搬送や安置、葬儀の形式やプランの提案、各種手続きの代行、斎場や火葬場の予約、当日の運営など、葬儀に関するあらゆるサポートをしてくれます。
複数の葬儀社から情報を収集し、可能であれば事前に相談をしておくことをお勧めします。
葬儀の規模や形式、予算などをある程度決めておくと、葬儀社を選びやすくなります。
複数の葬儀社から見積もりを取り、料金やプラン内容を比較検討することが大切です。
料金体系は葬儀社によって異なることがあり、追加費用が発生するケースもあるため、不明な点は遠慮なく質問し、納得のいく葬儀社を選ぶようにしましょう。
喪主の決定
葬儀を執り行う上で、喪主を誰が務めるのかを決定する必要があります。
喪主は、葬儀全体の責任者として、葬儀社との打ち合わせや参列者への対応など、様々な役割を担います。
一般的には、故人様と最も血縁が濃い方が務めることが多いですが、故人様の遺言や家族の話し合いによって決めることもあります。
配偶者、長男、長女、故人様の親、兄弟姉妹の順で務めることが一般的ですが、必ずしもこの順番である必要はありません。
故人様との関係性や、葬儀を取り仕切る上での負担などを考慮して、適切な人物を喪主とすることが大切です。
喪主が決定したら、速やかに親族や関係者に知らせるようにしましょう。
葬儀社との打ち合わせ
葬儀社を選定したら、担当者と詳細な打ち合わせを行います。
打ち合わせでは、まず故人様の情報や遺族の意向を伝え、葬儀の形式や規模、予算について相談します。
葬儀形式としては、一般葬、家族葬、一日葬、直葬などがあり、それぞれの特徴や費用について説明を受けながら選択します。
斎場や火葬場の予約状況を確認し、葬儀の日程を調整します。
また、祭壇の飾り付け、棺の種類、遺影写真、返礼品、料理など、葬儀に必要な様々な項目について具体的に決めていきます。
不明な点や希望があれば遠慮なく質問し、納得のいく形で葬儀を執り行えるようにすることが大切です。
打ち合わせの内容は多岐にわたるため、事前に家族で話し合い、ある程度の希望をまとめておくとスムーズに進めることができるでしょう。
葬儀の日程調整
葬儀の日程は、様々な要素を考慮して決定する必要があります。
まず、故人様がお亡くなりになってから火葬までには、法律により24時間以上の安置期間が必要です。
また、火葬場や斎場の予約状況に大きく左右されます。特に都市部では火葬場が混み合っていることが多く、希望する日に予約が取れない場合もあります。
参列者の都合も考慮する必要があります。
遠方から来る親族や、仕事の都合など、多くの人が参列しやすい日程を調整することが望ましいです。
また、友引の日には葬儀を避ける慣習がある地域もあります。
これらの要素を踏まえ、葬儀社の担当者と相談しながら、最適な日程を決定します。
通常、ご逝去から葬儀までには2日から5日程度かかることが多いですが、状況によってはそれ以上の日数がかかる場合もあります。
関係者への訃報連絡
葬儀の日程と場所が決まったら、親族や友人、知人、職場関係者など、故人様やご家族と関係のあった方々に訃報を連絡します。
訃報連絡は、故人様がお亡くなりになったことと、葬儀に関する情報を伝える重要な連絡です。連絡する範囲については、事前に家族で話し合って決めておきましょう。
連絡手段としては、電話、メール、FAX、SNSなどがありますが、関係性に応じて適切な方法を選択します。
親族や特に親しかった方には電話で直接伝えるのが丁寧です。
訃報には、故人様の氏名、お亡くなりになった日時、葬儀の日程と場所、葬儀形式(家族葬など)、喪主の氏名、連絡先などを記載します。
また、香典や供花、弔電などを辞退する場合は、その旨を明記しておくと丁寧です。
葬儀形式の決定
葬儀形式の決定は、故人様やご家族の意向、参列者の数、そして予算などを考慮して行います。
主な葬儀形式には、一般葬、家族葬、一日葬、直葬などがあります。
それぞれの形式には特徴があり、参列者の範囲や儀式の流れ、費用などが異なります。
故人様の遺志や生前の希望がある場合は、それを尊重することが大切です。家族で十分に話し合い、どのような形で見送りたいのかを明確にしましょう。
葬儀社の担当者に相談し、それぞれの形式のメリット・デメリット、かかる費用について詳しい説明を受け、比較検討することも重要です。
参列者の人数を予測し、それに応じた会場の規模や準備が必要になるため、早めに形式を決定することで、その後の準備をスムーズに進めることができます。
遺影写真の選定
葬儀の際に飾る遺影写真は、故人様を偲ぶ上で非常に大切なものです。
故人様が生前に気に入っていた写真があれば、それが最適でしょう。
もし写真がない場合や、適当な写真が見つからない場合は、なるべく故人様らしさが表れている写真を選びます。
ピントが合っていて、表情が自然で、顔がはっきりと写っているものが望ましいです。
最近撮影された写真の方が、故人様の生前の姿に近いでしょう。
スナップ写真を使用する場合は、背景を加工したり、服装を調整したりすることも可能です。
葬儀社に相談すれば、遺影写真の加工や準備についてサポートしてもらえます。
複数の候補がある場合は、家族で話し合って決めると良いでしょう。
遺影写真は、葬儀後もご自宅に飾ることが多いため、後々まで後悔しないような写真を選ぶことが大切です。
僧侶との相談
仏式の葬儀を執り行う場合は、菩提寺や懇意にしている僧侶がいるかどうかを確認し、連絡を取る必要があります。
僧侶には、故人様がお亡くなりになったこと、そして葬儀を執り行いたい旨を伝え、日程の調整や戒名について相談します。
菩提寺がない場合や、特定の宗派に属していない場合は、葬儀社に相談すれば僧侶を紹介してもらうことができます。
打ち合わせでは、読経や戒名について、お布施のことなど、事前に確認しておきたいことを質問します。
宗派によって儀式やマナーが異なる場合があるため、僧侶の指示に従うことが大切です。
初めて葬儀を執り行う場合は、分からないことが多いと思いますが、遠慮せずに質問し、不安を解消しておきましょう。
棺に納める品の用意
棺に納める品、いわゆる副葬品は、故人様が生前に愛用していた物や、好きだった物など、故人様とともに送りたいという遺族の気持ちを表すものです。
故人様の手紙や写真、衣服、趣味に関する物などが一般的です。
ただし、火葬の際に燃えにくい物や、環境に影響を与える可能性のある物は、棺に納めることができない場合があります。
例えば、メガネや指輪などの金属製品、ガラス製品、プラスチック製品、バッテリーを含む電子機器などは避けるべきです。
書籍など燃えにくい物も、量が多いと火葬に時間がかかったり、遺骨に影響が出たりする可能性があるため注意が必要です。
何を用意できるかについては、事前に葬儀社の担当者に確認すると良いでしょう。
故人様が喜ぶような物を、家族で相談して用意することが大切です。
喪服の準備
葬儀に参列する際の服装は、弔意を表す上で重要なマナーです。
喪主や親族は正喪服または準喪服を着用することが一般的です。
正喪服は最も格式の高い喪服で、男性は和装または洋装(モーニングコート)、女性は和装または洋装(ブラックフォーマル)です。
準喪服は一般的にブラックスーツやブラックフォーマルを指し、多くの葬儀で着用されます。
急な訃報の場合、準備が難しいこともありますが、略喪服としてダークカラーのスーツやアンサンブルで参列することもあります。靴やバッグ、小物なども地味なものを選び、光沢のある素材や華美な装飾品は避けます。
数珠は自身の宗派の物を用意しますが、宗派が分からない場合は略式数珠でも問題ありません。
喪服の準備は、通夜や葬儀の日程が決まったら、早めに確認しておくことが大切です。
葬儀への参列について
葬儀に参列することは、故人様への弔意を表し、遺族に寄り添う大切な機会です。
参列にあたっては、故人様や遺族、そして他の参列者への配慮が求められます。
ここでは、葬儀に参列する際に知っておきたいマナーや準備について説明します。
参列者の服装
葬儀に参列する際の服装は、故人様への弔意を表すための重要なマナーです。
一般的に、参列者は準喪服または略喪服を着用します。
男性の場合は、黒やダークカラーのスーツに白いシャツ、地味な色のネクタイと靴下を合わせます。靴は黒の革靴を選びましょう。
女性の場合は、黒のワンピースやアンサンブル、スーツなどを着用します。ストッキングは黒を選び、靴は黒のパンプスなどが適しています。
和装で参列する場合は、男性は黒紋付羽織袴、女性は黒紋付の色無地などが正装とされます。
小物類も地味なものを選び、アクセサリーは結婚指輪以外は避けるのが一般的ですが、パールの一連ネックレスは着用しても問題ありません。
ただし、二連のネックレスは「不幸が重なる」ことを連想させるため避けるべきです。
急な訃報で喪服の準備が間に合わない場合は、ダークカラーの平服で参列しても失礼にはあたりませんが、できる限り地味な服装を心がけましょう。
故人様やご遺族の宗教・宗派によって服装のマナーが異なる場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。
参列者の持ち物
葬儀に参列する際には、いくつか持っていくべき物があります。
まず、お香典は弔意を表す大切なものです。
お香典袋は白黒または双銀の水引がかかった不祝儀袋を選び、内のしには「御霊前」や「御仏前」などと書きますが、宗教・宗派によって異なる場合があるため確認が必要です。
金額は故人様との関係性によって異なりますが、偶数の金額や「四」や「九」のつく金額は避けるのが一般的です。
お香典は袱紗(ふくさ)に包んで持参するのが丁寧なマナーです。
また、数珠は仏式葬儀に参列する際に必要となる物です。
自身の宗派の数珠があればそれを持参しますが、宗派が分からない場合は略式数珠でも構いません。数珠は合掌する際に左手にかけます。
その他、ハンカチやティッシュ、必要な場合は替えのストッキングなども用意しておくと安心です。
派手な装飾や柄のある物は避け、地味な色合いの物を選びましょう。
葬儀準備のチェックリスト
葬儀の準備は多岐にわたるため、漏れがないようにチェックリストを作成すると便利です。
まず、ご逝去に伴う手続きとして、死亡診断書または死体検案書の受け取り、死亡届の提出、火葬許可証の取得があります。
次に、葬儀社を選定し、打ち合わせを行います。喪主の決定、葬儀形式の決定、日程調整、斎場や火葬場の予約、費用の確認などが含まれます。
関係者への訃報連絡も重要な項目です。通夜や葬儀・告別式に向けて、遺影写真の選定、棺に納める品の用意、返礼品や料理の手配、供花や供物の手配、受付の準備などを進めます。
僧侶への連絡や打ち合わせ、お布施の準備も必要です。参列者のリスト作成や、遠方からの参列者の宿泊手配なども検討事項に含まれる場合があります。
これらの項目をリストアップし、一つずつ確認しながら進めることで、慌てることなく準備を進めることができるでしょう。
葬儀準備に関する疑問
初めて葬儀を執り行う方や、自身の最期について考える方にとって、葬儀に関する疑問は尽きないものです。ここでは、葬儀準備に関してよくある疑問にお答えします。
事前にこれらの疑問を解消しておくことで、より安心して準備を進めることができます。
自分の希望を反映させるためにも、様々な情報を集めておくことが大切です。
生前に準備しておくべきことは?
生前に葬儀の準備をしておくことは、「終活」の一つとして近年注目されています。
ご自身の希望する葬儀の形式や内容、費用について具体的に考えておくことで、いざという時に遺族が迷うことなく、希望に沿った葬儀を執り行うことができます。
また、遺族の精神的・物理的な負担を軽減することにも繋がります。具体的に準備しておくべきこととしては、まず葬儀形式や規模、予算について希望をまとめておくと良いでしょう。
利用したい葬儀社があれば、事前に資料請求や相談をしておくことも有効です。
遺影写真を選んでおいたり、棺に入れて欲しい物を指定しておいたりすることも、遺族にとっては助かります。
さらに、葬儀にかかる費用を準備するために、貯蓄をしたり、葬儀保険への加入を検討したりすることも、生前準備の一つと言えるでしょう。
必ずしも全てを行う必要はありませんが、時間や気持ちに余裕がある時に、できる範囲で準備を進めておくことをお勧めします。
遺体はどこに安置する?
故人様の遺体は、火葬を行うまで適切な場所に安置する必要があります。
病院で亡くなられた場合、霊安室に長時間安置することは難しいため、速やかに安置場所を決め、搬送の手配を行う必要があります。
遺体の主な安置場所としては、自宅、葬儀社の安置施設、斎場や火葬場の霊安室などがあります。かつては自宅に安置することが一般的でしたが、最近では住宅事情や遺族の負担を考慮して、葬儀社の施設や斎場に安置するケースが増えています。
葬儀社の安置施設や斎場の霊安室は、遺体を保冷する設備が整っており、面会時間などが決められている場合があります。
自宅に安置する場合は、布団やドライアイスの用意が必要となります。
安置場所については、葬儀社との打ち合わせの中で相談し、遺族の希望や状況に合わせて決定します。
適切な場所に安置することで、故人様を最期まで丁重にお見送りすることができます。
お通夜などに持ち込みがダメなものは?
お通夜や葬儀・告別式に参列する際には、持ち物や服装に関していくつかのマナーがあります。
特に注意が必要な物としては、殺生を連想させる革製品や毛皮製品の着用は避けるのが一般的です。
また、光沢のある物や華美な装飾品、派手なデザインの物も弔いの場にはふさわしくありません。
女性のアクセサリーとしては、パールの一連ネックレスは問題ありませんが、二連のネックレスは不幸が重なることを連想させるため避けるべきとされています。
お香典については、新札の使用は避け、古いお札を用意するのがマナーです。
また、お香典は袱紗に包んで持参するのが丁寧です。会場によっては、飲食物の持ち込みが制限されている場合もありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
故人様やご遺族に失礼がないよう、服装や持ち物に関するマナーを守ることが大切です。
葬儀の規模と費用は?
葬儀の規模と費用は、選択する葬儀形式によって大きく異なります。
一般葬は参列者が多くなる傾向があるため、会場費用や返礼品、飲食費などが高くなり、費用総額も高額になる傾向があります。
一方、家族葬は参列者を限定するため、一般葬よりも費用を抑えることができます。直葬・火葬式は通夜や告別式を行わないため、最も費用を抑えられる形式です。
一日葬は通夜を行わない分、一般葬よりは費用を抑えられますが、家族葬よりは高くなることが多いです。
葬儀の費用は、基本料金に加え、飲食費、返礼品費、お布施などの寺院費用など、様々な項目が含まれます。
葬儀社のプラン内容やオプションによっても費用は変動します。
例えば、シンプルプランであれば総額5万円から可能な場合もありますが、祭壇を豪華にしたり、参列者が多かったりすれば、当然費用は高くなります。
事前に複数の葬儀社から見積もりを取り、内容を比較検討することが重要です。
不明な点は遠慮なく質問し、納得のいく費用で葬儀を執り行えるようにしましょう。
葬儀の準備は、ご逝去という突然のできごとから始まり、短期間で様々なことを決定し、手配していく必要があります。
葬儀全体の流れを把握し、逝去直後に行うべきこと、そして葬儀の種類やそれぞれの特徴を知っておくことは、慌てずに準備を進めるために非常に重要です。
喪主の決定や葬儀社の選定、日程調整や関係者への連絡など、やるべきことは多岐にわたりますが、一つずつ丁寧に進めていくことが大切です。
参列する際のマナーについても理解しておくことで、故人様や遺族に失礼なく弔意を示すことができます。
事前に準備しておくことや、よくある疑問について知識を得ておくことも、いざという時の心の準備に繋がります。
信頼できる葬儀社と連携を取りながら、故人様を心を込めてお見送りするための準備を進めていきましょう。