お葬式コラム

火葬式と直葬って何が違う?それぞれの式の流れから違いを解説

そもそも火葬式と直葬とは?2つの葬儀形式の基本
【徹底比較】火葬式と直葬の4つの大きな違い
後悔しないために知っておきたい火葬式のメリット
後悔しないために知っておきたい火葬式のデメリット
費用を抑えられる直葬のメリット
お別れが短い直葬のデメリット
あなたはどっち?状況に合わせた火葬式・直葬の選び方
火葬式や直葬を検討する際の注意点

まとめ

近年、葬儀の形式は多様化しており、中でも費用を抑えたシンプルな「火葬式」や「直葬」を選ぶ方が増えています。
しかし、この二つの形式は混同されやすく、具体的な内容の違いについて詳しく知らない方も少なくありません。
この記事では、直葬と火葬式の違いについて、それぞれの基本的な定義から当日の流れ、費用、メリット・デメリットまでを詳しく解説します。
故人やご遺族にとって最適な見送り方を選ぶための参考にしてください。

そもそも火葬式と直葬とは?2つの葬儀形式の基本

火葬式と直葬は、どちらも通夜や告別式を行わない小規模なお葬式の形式です。
従来の一般葬や家族葬と比べて、儀式を簡略化しているため、費用や時間の負担を軽減できるという特徴があります。
しかし、似ているようで明確な違いが存在するため、まずはそれぞれの基本的な定義を理解しておくことが重要です。
ここでは、火葬式と直葬がどのような葬儀形式なのか、その基本について解説します。

火葬式|火葬前にお別れの儀式を行う形式

火葬式とは、通夜や告別式といった宗教儀式を省略し、出棺後に火葬場の炉前で短時間のお別れの儀式を行ってから火葬するお葬式の形式です。
ごく親しい家族や親族のみが参列するケースがほとんどです。
儀式の内容は、僧侶による読経や焼香、故人に花を手向ける献花など、限られた時間の中で故人を偲びます。
儀式を全く行わない直葬とは異なり、最低限の宗教的な儀礼を伴う点が大きな特徴です。
費用を抑えつつも、故人とのお別れの時間をきちんと持ち、供養の気持ちを形にしたいと考える方に選ばれる傾向があります。

直葬|儀式を行わず火葬のみを行う最もシンプルな形式

直葬とは、通夜や告別式などの儀式を一切行わず、逝去された後、法律で定められた24時間以上を自宅や安置施設で安置した後に、直接火葬場へ遺体を搬送し火葬のみを行う最もシンプルな葬儀形式です。
「ちょくそう」または「じきそう」と読まれます。
火葬場の炉前で数分程度のお別れは可能ですが、宗教的な儀式は行いません。
そのため、無宗教の方や、形式にとらわれずに静かに故人を見送りたいと考える方に適しています。
葬儀にかかる費用を最大限に抑えられる点や、遺族の身体的・精神的な負担が少ない点も特徴です。

【徹底比較】火葬式と直葬の4つの大きな違い

火葬式と直葬は、どちらもシンプルな葬儀形式ですが、いくつかの重要な違いがあります。
これらの違いを理解することが、後悔のない選択をするための鍵となります。
特に、当日の流れ、お別れの時間の長さ、ご遺体の安置場所、そして費用の4つの観点から比較することで、直葬と火葬式の違いが明確になります。
ここでは、それぞれの項目について具体的にどのような差があるのかを詳しく解説していきます。

違い【1】:当日の流れとお別れの儀式の有無

直葬と火葬式の違いで最も大きいのが、お別れの儀式の有無です。
直葬では、ご遺体を安置場所から直接火葬場へ搬送し、宗教的な儀式は行わずに火葬します。
火葬炉の前で最後のお別れをする時間はありますが、それはごく短時間です。
一方、火葬式では、火葬場の炉前や併設された式場で、僧侶による読経や焼香、献花といったお別れの儀式を行います。
この儀式があることで、故人を宗教的な作法にのっとって供養できます。
この儀式の有無が、当日の流れを大きく左右し、参列者の心持ちにも影響を与える重要なポイントです。

違い【2】:故人と過ごせるお別れの時間の長さ

故人と過ごせるお別れの時間の長さも、直葬と火葬式の違いの一つです。
直葬の場合、火葬炉の前でのお別れ時間は5分から10分程度と非常に短く、ゆっくりと故人を偲ぶ時間を確保するのは難しいかもしれません。
参列者が多い場合は、一人ひとりがお別れを告げる時間も限られます。
それに対して火葬式では、30分から1時間程度の儀式の時間が設けられています。
この時間を通じて、僧侶の読経を聞きながら焼香を行ったり、思い出の品を棺に入れたりするなど、比較的落ち着いて故人との最後の時間を過ごすことが可能です。

違い【3】:ご遺体を安置する場所はどこになるか

法律により、死後24時間は火葬することができないため、直葬でも火葬式でもご遺体を安置する期間が必要です。
安置場所としては、ご自宅、または葬儀社や火葬場が所有する安置施設が一般的です。
この安置場所の選択肢自体に、直葬と火葬式の違いはほとんどありません。
しかし、火葬式の場合は儀式を行う火葬場や斎場に併設された安置施設を利用することが多いのに対し、直葬では費用を抑えるために、より安価な安置施設を選ぶ傾向が見られます。
その後の流れを考慮して、最適な安置場所を選択することが求められます。

違い【4】:必要となる費用の目安

葬儀形式を選ぶ上で、費用は非常に重要な要素です。
直葬と火葬式の違いは、費用面にも明確に表れます。
最もシンプルな直葬の費用相場は、15万円から30万円程度です。
これには、ご遺体の搬送、安置、火葬に必要な最低限のものが含まれます。
一方、火葬式の費用相場は20万円から50万円程度が目安です。
直葬のプランに加えて、儀式を行うための会場使用料や祭壇、僧侶へのお布施などが必要となるため、その分費用が高くなります。
どちらの形式を選ぶかによって、必要な費用が大きく異なることを理解しておく必要があります。

後悔しないために知っておきたい火葬式のメリット

直葬と比較して費用がかかるにもかかわらず、火葬式が選ばれるのには明確な理由があります。
それは、費用を抑えつつも、故人とのお別れを大切にし、供養の気持ちを儀式という形で表現できる点にあります。
ここでは、火葬式を選ぶことで得られるメリットについて、特に故人とのお別れの時間を重視する視点から詳しく解説します。
この点を理解することで、なぜ火葬式という選択肢が存在するのかが見えてきます。

故人とのお別れの時間をしっかり確保できる

火葬式の最大のメリットは、故人とのお別れの時間を儀式という形で十分に確保できる点です。
直葬のように火葬のみで済ませるのではなく、火葬前に読経や焼香、献花といった儀式を行うことで、故人を偲び、冥福を祈る時間に浸ることができます。
この時間は、遺族が故人の死と向き合い、気持ちの整理をつけるための大切な過程となります。
親しい人たちだけで静かに故人を送り出したい、けれどもしっかりと供養はしたい、という想いに応えられることが、火葬式が選ばれる大きな理由です。

後悔しないために知っておきたい火葬式のデメリット

火葬式には故人とのお別れの時間を大切にできるというメリットがある一方で、デメリットも存在します。
特に費用面での負担は、直葬と比較した場合に顕著な差として現れます。
なぜ火葬式が直葬よりも高くなるのか、その理由を具体的に把握しておくことは、葬儀形式を決定する上で非常に重要です。
ここでは、火葬式を検討する際に知っておくべきデメリットについて解説します。

直葬と比較すると費用が高くなる傾向がある

火葬式のデメリットとして挙げられるのが、直葬と比較して費用が高くなる点です。
火葬式では、火葬料金や安置費用に加えて、儀式を行うための費用が発生します。
具体的には、僧侶に読経を依頼するためのお布施、ささやかな祭壇を設ける場合はその費用、儀式を行うための式場の使用料などです。
これらの追加費用がかかるため、総額は直葬よりも高くなります。
葬儀費用を可能な限り抑えたいと考えている場合、この費用差は大きなデメリットと感じられる可能性があります。

費用を抑えられる直葬のメリット

直葬が選ばれる最も大きな理由は、その費用面にあります。
儀式を省略することで、葬儀にかかる経済的な負担を大幅に軽減できるのが最大の魅力です。
しかし、直葬のメリットは費用面だけにとどまりません。
遺族の身体的・精神的な負担を減らすという側面も持ち合わせています。
ここでは、直葬が持つメリットについて、費用と遺族の負担軽減という二つの観点から詳しく解説していきます。

葬儀費用や遺族の身体的負担を軽減できる

直葬の最大のメリットは、葬儀費用を大幅に抑えられることです。
通夜や告別式を行わないため、式場使用料や祭壇の費用、会葬者への返礼品や飲食費などがかかりません。
経済的な負担を最小限にしたい場合に最適な選択肢です。
また、儀式がないため準備に時間がかからず、弔問客への対応も不要なので、遺族の身体的・精神的な負担を大きく軽減できるという理由もあります。
特に高齢の遺族がいる場合や、遠方から駆けつける親族の負担を減らしたい場合に、直葬が選ばれることが多いです。

お別れが短い直葬のデメリット

費用や負担を軽減できる大きなメリットがある一方、直葬には慎重に検討すべきデメリットも存在します。
その最も大きな理由として、お別れの時間が極端に短いことや、儀式を省略することに対する周囲の理解が得られにくい点が挙げられます。
これらのデメリットを事前に把握しておかないと、後々「もっとしっかりお別れをすればよかった」という後悔や、親族間のトラブルにつながる可能性があります。

直葬は比較的新しい葬儀形式であるため、特に年配の親族からは理解を得られない可能性があります。

「儀式もせずに火葬だけするなんて、故人がかわいそうだ」といった意見や、供養が不十分であるという考えから反対されるケースも少なくありません。
家族葬のように親しい人だけで集まる形式であっても、そこには儀式があるものと考える人が多いため、事前の説明が不足しているとトラブルに発展しかねません。
なぜ直葬を選んだのか、故人の遺志であったことなどを丁寧に説明し、周囲の理解を得る努力が求められます。

あなたはどっち?状況に合わせた火葬式・直葬の選び方

これまで火葬式と直葬のメリット・デメリットを解説してきましたが、最終的にどちらを選ぶべきかは、故人の遺志や遺族の考え方、経済的な状況によって異なります。
儀式を重んじるか、シンプルさを追求するか、それぞれの価値観に合ったお葬式の形を選ぶことが、後悔しないための最も重要なポイントです。
ここでは、どのような方にどちらの形式が適しているのか、具体的な選び方の指針を示します。

儀式を通してしっかりお見送りをしたい方には「火葬式」がおすすめ

費用はできるだけ抑えたいけれど、儀式を全く行わないことには抵抗がある、という方には火葬式がおすすめです。
また、故人とのお別れの時間を大切にし、親しい人たちだけで静かに故人を偲びたいと考える場合にも適しています。
儀式を行うことで、気持ちに区切りをつけやすくなるという理由もあります。
宗教的な儀礼を重んじる親族がいる場合や、最低限の供養の形はとりたいと考えるなら、火葬式を選ぶとよいでしょう。
直葬のシンプルさと、伝統的な葬儀の儀礼的な側面を併せ持った形式と言えます。

費用を抑えシンプルなお見送りを望む方には「直葬」がおすすめ

葬儀にかかる費用を最優先で考えたい方や、宗教的な儀式にこだわらない無宗教の方には直葬がおすすめです。
また、故人が生前から「自分の葬儀はシンプルにしてほしい」と希望していた場合にも、その遺志を尊重する形となります。
参列者がほとんどいない、あるいは身寄りがないといった状況でも、直葬は選びやすい形式です。
形式的な儀式よりも、ごく内輪だけで静かに故人を送り出すことを望む方に適しています。
経済的な理由だけでなく、故人や遺族の価値観に基づいて選ばれることが多い選択肢です。

火葬式や直葬を検討する際の注意点

火葬式や直葬は、費用や時間を抑えられる現代的なお葬式の形ですが、その選択には慎重さが求められます。
特に、伝統的な葬儀を重んじる親族や、菩提寺との関係がある場合には、事前の配慮が不可欠です。
これらの点を疎かにすると、後々トラブルに発展し、故人を偲ぶ気持ちに水を差すことにもなりかねません。
ここでは、後悔しないために押さえておくべき重要な注意点を2つ解説します。

事前に親族の理解を得ておくことが大切

火葬式や直葬を選ぶ際には、事前に親族へ相談し、理解を得ておくことが非常に重要です。
特に年配の親族の中には、通夜や告別式を行うのが当たり前だと考えている方も多く、儀式を簡略化することに強い抵抗感を示される場合があります。
家族葬と混同して了承したものの、当日に儀式がないことを知って驚かれるケースもあります。
「故人の遺志で」「経済的な事情で」など、なぜその形式を選んだのか理由を丁寧に説明し、一方的に決定しない姿勢が大切です。
後々のトラブルを避けるためにも、コミュニケーションを密にとる必要があります。

菩提寺がある場合は必ず事前に相談する

菩提寺(先祖代々のお墓があるお寺)がある場合は、火葬式や直葬を行う前に必ず住職に相談しなければなりません。
お寺によっては、通夜や告別式といった宗教儀式を経ていないと、お墓への納骨を認めてもらえないことがあります。
相談なしに儀式を省略した葬儀を行うと、最悪の場合、納骨を断られてしまう可能性も考えられます。
無宗教の方や特定のお寺との付き合いがない場合は問題ありませんが、菩提寺との関係がある場合は、必ず事前に連絡を取り、葬儀の形式について了承を得ておくことがトラブル回避のために不可欠です。

火葬式と直葬は、どちらも費用を抑えたシンプルな葬儀形式ですが、その内容は大きく異なります。
直葬と火葬式の違いの核心は、火葬前にお別れの儀式を行うか否かという点にあります。
この違いが、当日の流れ、故人と過ごせる時間、そして費用に影響を与えます。
火葬式は儀式を通じて故人を偲ぶ時間を確保でき、直葬は費用と遺族の負担を最大限に軽減できます。
それぞれのメリット・デメリット、そして注意点を十分に理解し、故人の遺志やご遺族の状況を総合的に考慮して、後悔のない最適な形を選ぶことが重要です。

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