お葬式コラム

葬儀費用の補助金はいくら?地域別の葬祭費補助金の制度と手続きをご紹介

葬儀費用を補助してくれる公的な給付金制度とは

故人が加入していた健康保険によって受け取れる給付金が異なる
【地域別】自治体ごとの葬祭費支給額の目安
葬祭費・埋葬料の申請手続きの流れを解説
葬儀費用の補助金申請で知っておきたい3つの注意点

まとめ

身内が亡くなった際、葬儀にかかる費用は家計にとって大きな負担となります。
しかし、故人が加入していた公的な健康保険から葬儀費用の一部が支給される補助金制度があることは、あまり知られていません。
この制度を活用することで、経済的な負担を軽減できます。
この記事では、受け取れる補助金の金額や種類、申請方法、注意点について詳しく解説します。

葬儀費用を補助してくれる公的な給付金制度とは

葬儀費用を補助してくれる公的な制度は、故人が生前に加入していた健康保険から給付金が支給される仕組みです。
この給付金は、加入していた保険の種類、例えば国民健康保険か会社の健康保険組合かによって、「葬祭費」や「埋葬料」など名称や支給額が異なります。

いずれも葬儀を執り行った方の経済的負担を軽減することを目的とした制度であり、申請することで受け取れます。

故人が加入していた健康保険によって受け取れる給付金が異なる

故人が加入していた健康保険の種類によって、受け取れる給付金の名称や金額、申請先が異なります。
自営業者や個人事業主などが加入する「国民健康保険」や75歳以上の方が加入する「後期高齢者医療制度」の場合、「葬祭費」が支給されます。

一方、会社員や公務員が加入する協会けんぽや各種健康保険組合といった社会保険(健保)の場合は、「埋葬料」が支給されるのが一般的です。

国民健康保険・後期高齢者医療制度の加入者には「葬祭費」が支給される

故人が自営業者などで国民健康保険に加入していた場合、または75歳以上で後期高齢者医療制度に加入していた場合は、「葬祭費」という名称の給付金が支給されます。
この給付金は、葬儀を執り行った喪主に対して支払われます。
支給額は自治体によって異なり、1万円から7万円と幅がありますが、多くの地域では3万円から5万円が相場となっています。
例えば、東京都23区では一律7万円、さいたま市や横浜市では5万円が支給されます。

申請手続きは、故人が亡くなった当時に住民票を置いていた市区町村の役所で行います。
申請には葬儀の領収書などが必要となるため、事前に確認しておくとスムーズです。

会社員などの健康保険組合の加入者には「埋葬料」が支給される

会社員や公務員などが加入する健康保険組合や協会けんぽの被保険者が亡くなった場合、「埋葬料」が支給されます。
支給額は加入している健康保険組合を問わず、一律で5万円です。
この埋葬料は、故人によって生計を維持されており、埋葬を行った遺族に対して支払われます。

生計維持関係にある遺族がいない場合は、実際に埋葬を行った人に「埋葬費」として埋葬にかかった実費(上限5万円)が支給されます。
また、被保険者に扶養されていた家族が亡くなった場合は、「家族埋葬料」として同じく5万円が支給される仕組みです。
申請先は、故人が加入していた健康保険組合または全国健康保険協会(協会けんぽ)の支部となります。

埋葬料の対象外でも「埋葬費」を受け取れるケースがある

故人に生計を維持されていた遺族がおらず、埋葬料の支給対象者がいない場合でも、実際に埋葬を行った人には埋葬費が支給されることがあります。
これは、故人と生計維持関係のない友人や知人、会社の同僚などが費用を立て替えて埋葬を行ったケースが該当します。

支給額は、埋葬に実際にかかった費用の範囲内で、埋葬料の上限である5万円までとなります。
対象となる費用には、火葬費用や霊柩車代、お布施などが含まれます。
ただし、葬儀の一式費用や飲食代は対象外となる点に注意が必要です。
なお、生活保護を受けていた方が亡くなった場合に適用される葬祭扶助とは異なる制度です。

【地域別】自治体ごとの葬祭費支給額の目安

国民健康保険および後期高齢者医療制度から支給される「葬祭費」の金額は、全国一律ではなく、市区町村ごとに定められています。
そのため、故人がどの自治体に住民票を置いていたかによって受け取れる額が変わります。
ここでは、首都圏の主要な自治体を中心に、具体的な葬祭費の支給額の目安を紹介します。
ご自身の該当する地域の情報を確認する際の参考にしてください。

東京都23区の葬祭費支給額

東京都の23区内に故人が住民登録をしていた場合、国民健康保険または後期高齢者医療制度の加入者であれば、葬祭費として一律7万円が支給されます。
この金額は、千代田区、中央区、新宿区、渋谷区など、どの区であっても同じです。
全国の自治体と比較しても高い水準に設定されており、葬儀を執り行う喪主の経済的負担を大きく軽減します。
申請は、故人の住民票があった区の区役所の担当窓口で行います。

申請には、葬儀を行ったことや喪主であることが確認できる書類(会葬礼状や葬儀社の領収書など)が必要となるため、事前に各区のウェブサイトなどで確認しておくと手続きが円滑に進みます。

東京都下(市町村)の葬祭費支給額

東京都の23区以外の市町村、いわゆる都下では、葬祭費の支給額は自治体によって異なります。
多くの市では5万円に設定されており、例えば八王子市、立川市、町田市、府中市などがこれに該当します。
一方で、3万円を支給する自治体も存在するため、故人が住民登録していた市町村の役所に直接問い合わせて確認することが確実です。

このように、同じ都内でも23区と市町村では支給額に違いがあります。
参考までに、他の地域の例を挙げると、愛媛県の松山市では3万円が支給されるなど、全国的に見ても自治体ごとに金額設定は様々です。
申請手続きは、各市町村の役所の国民健康保険または後期高齢者医療制度の担当窓口で行います。

神奈川県の葬祭費支給額

神奈川県内の自治体における葬祭費の支給額は、多くの地域で5万円に設定されています。
県庁所在地である横浜市をはじめ、川崎市、相模原市といった政令指定都市では、国民健康保険および後期高齢者医療制度の加入者に対して一律5万円が支給されます。
このほか、横須賀市、藤沢市、茅ヶ崎市などの主要な市でも同様の金額です。

ただし、一部の町や村では金額が異なる可能性も考えられるため、申請前には必ず故人が住民登録していた市区町村の役所のウェブサイトを確認するか、担当窓口へ問い合わせることをお勧めします。
申請手続きは、各市区町村の役所にて行い、葬儀の喪主であったことを証明する書類などが必要となります。

埼玉県の葬祭費支給額

埼玉県における葬祭費の支給額も、多くの自治体で5万円が一般的です。
県庁所在地であるさいたま市では、国民健康保険または後期高齢者医療制度の加入者が亡くなった際、葬儀を執り行った喪主に対して5万円が支給されます。
この金額は、川越市、川口市、越谷市、所沢市といった県内の主要な市でも同様に設定されています。

県内の多くの自治体で金額が統一されている傾向にありますが、条例の改正などによって変更される可能性も否定できません。
そのため、申請手続きを行う際には、事前に故人が住民登録していた自治体の役所に問い合わせ、最新の支給額や必要書類について確認しておくと安心です。

千葉県の葬祭費支給額

千葉県内の自治体でも、葬祭費の支給額は5万円に設定されているケースが多く見られます。
県庁所在地である千葉市では、国民健康保険および後期高齢者医療制度の加入者の葬儀を執り行った喪主に対し、5万円が支給されます。
船橋市、市川市、松戸市、柏市といった人口の多い主要な市においても、同様に5万円が支給額の基準となっています。

これにより、県内の多くの地域では同水準の補助が受けられる状況です。
ただし、これも他の都県と同様に、各自治体の条例に基づく制度であるため、一部の町村では金額が異なる場合があります。
手続きの際には、故人の最終住所地を管轄する役所の担当窓口で、最新の情報を確認するようにしてください。

葬祭費・埋葬料の申請手続きの流れを解説

葬祭費や埋葬料を受け取るためには、所定の申請手続きが必要です。
故人が亡くなった後は、様々な手続きに追われますが、給付金の申請も忘れずに行いましょう。
ここでは、故人の健康保険の資格喪失手続きから、必要書類の準備、実際の申請窓口での手続きまで、一連の流れを3つのステップに分けて解説します。
この流れに沿って進めることで、埋葬後の手続きを円滑に行うことができます。

ステップ1:故人の健康保険の資格喪失手続きを行う

葬祭費や埋葬料の申請を行う前に、まず故人が加入していた健康保険の資格を喪失する手続きを完了させる必要があります。
故人が国民健康保険または後期高齢者医療制度に加入していた場合、市区町村の役所に死亡届を提出する際に、併せて資格喪失の手続きと保険証の返却を行います。
会社員などで社会保険に加入していた場合は、勤務先の会社を通じて、年金事務所または健康保険組合へ「被保険者資格喪失届」を提出します。
この手続きは、通常、死亡後5日以内に行う必要があります。
これらの資格喪失手続きが完了していないと、葬祭費や埋葬料の申請に進めないため、忘れずに行うことが重要です。

ステップ2:申請に必要な書類を準備する

資格喪失手続きが済んだら、給付金の申請に必要な書類を準備します。
必要な書類は申請する制度(葬祭費か埋葬料か)や窓口によって若干異なりますが、一般的には以下のものが求められます。
まず、所定の申請書、故人の健康保険証(返却済みでない場合)、申請者の本人確認書類(運転免許証など)、そして給付金の振込先となる金融機関の口座情報がわかるものです。

さらに、葬儀を執り行った事実と申請者が喪主であることを証明するために、葬儀社の領収書や会葬礼状の提出を求められることが多くあります。
特に、実際に葬儀にかかった費用を証明する必要がある「埋葬費」の申請では、領収書が不可欠です。

ステップ3:市区町村役場や健康保険組合の窓口で申請する

必要書類がすべて揃ったら、指定の窓口で申請手続きを行います。
故人が国民健康保険または後期高齢者医療制度に加入していた場合の「葬祭費」は、故人が亡くなった当時に住民票を置いていた市区町村役場の担当窓口が申請先です。
一方、会社員など社会保険の加入者だった場合の「埋葬料」は、故人が加入していた健康保険組合、または全国健康保険協会(協会けんぽ)の各都道府県支部が申請窓口となります。
不明な場合は、故人の勤務先に問い合わせるか、年金事務所で相談することも可能です。
多くの窓口では郵送による申請も受け付けているため、直接訪問が難しい場合でも手続きを進められます。

葬儀費用の補助金申請で知っておきたい3つの注意点

葬儀費用の補助金制度は、遺族の経済的負担を軽減する上で非常に有用ですが、申請にあたってはいくつか注意すべき点があります。
申請者が誰なのか、いつまでに申請しなければならないのかといった点を正しく理解しておかないと、給付金を受け取れない可能性も出てきます。
ここでは、葬式の後に慌てないよう、申請前に知っておきたい3つの重要な注意点を解説します。

申請できるのは葬儀を執り行った喪主

葬祭費の給付金を申請できるのは、原則としてその葬儀を主宰し、費用を支払った「喪主」です。
故人の遺族であれば誰でも申請できるわけではない点に注意が必要です。
多くの場合、申請時には葬儀社の発行した領収書や会葬礼状の提出が求められ、そこに記載された氏名と申請者の氏名が一致しているかを確認されます。
そのため、領収書の宛名は必ず喪主の名前にしておく必要があります。

もし喪主以外の人が費用を一時的に立て替えた場合でも、申請手続きは喪主が行うのが通例です。
故人と生計維持関係のない友人などが埋葬を行った場合に限り、「埋葬費」としてその人が申請できるケースもありますが、基本は喪主が申請者となります。

申請期限は2年以内!過ぎると時効で受け取れない

葬祭費や埋葬料の申請には、法律で定められた期限が存在します。
この申請権利は、葬儀を執り行った日の翌日から数えて2年を経過すると時効によって消滅します。
つまり、2年以内に申請手続きを完了させないと、給付金を受け取ることができなくなってしまいます。

葬儀の直後は、法要の準備や各種手続きで多忙なため、申請を後回しにしてしまいがちですが、忘れないうちに早めに済ませておくことが肝心です。
たとえ葬儀費用をローンで支払っている場合でも、申請自体は問題なく行えるため、期限を過ぎてしまう前に手続きを進めましょう。
カレンダーや手帳に記録しておくなど、忘れないための工夫も有効です。

給付金の振り込みは申請から1〜2ヶ月後が目安

申請手続きを終えた後、給付金がいつもらえるのかは気になるところです。
一般的に、申請書類に不備がなく、審査がスムーズに進んだ場合、申請日から1ヶ月から2ヶ月程度で指定した金融機関の口座に振り込まれます。
ただし、これはあくまで目安であり、申請先の市区町村や健康保険組合の繁忙期や処理状況によっては、振り込みまでに3ヶ月近くかかるケースも存在します。

申請してからすぐに入金されるわけではないため、この給付金を葬儀費用の支払いに直接充てようと考えている場合は注意が必要です。
振込完了の通知が送られてくる場合と、通知なしで直接入金される場合がありますので、定期的に口座を確認するとよいでしょう。

まとめ

葬儀費用は大きな出費ですが、公的な補助金制度を活用することで負担を軽減できます。
故人が国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた場合は「葬祭費」、会社の健康保険に加入していた場合は「埋葬料」が、葬儀を執り行った方に支給されます。
支給額や申請先は加入していた保険や自治体によって異なります。

葬儀を終えた後、僧侶や寺への対応、そして四十九日の法要準備と、慌ただしい日々が続きます。
そうした中で補助金の申請を忘れないよう、速やかに手続きを進めることが重要です。
申請期限は葬儀の翌日から2年以内と定められているため、期限切れには十分に注意してください。

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